「槍ヶ岳、楽勝」
登山を舐めきった長男を懲らしめるため、八ヶ岳に来た経緯は
【前編】でどうぞ。
さてさて2日目。早朝5:00、行者小屋のテント場を出発。
いよいよ八ヶ岳主脈縦走の本番の日。
朝日をバックに山々が神々しい。素晴らしい朝だ。
文三郎道を登り、赤岳を目指します。
昨日寝まくりだった長男は
元気いっぱい。急な斜面もずんずん登ります。
それにしても、朝日が作り出す山々の陰影は美しい。
山に興味のない長男も景色に見とれている。
しかし、この文三郎道は急な登りが続く、続く、続く。
いや、赤岳に登る登山道は皆、急登な道ばかりだが。
私はここで
長男が多少へたばる事を予測していた。
そこで
「どうした?この前の威勢はどこ行った?」と、言う言葉まで用意していたが・・・、
長男はへたばらない。
足取り軽く、
ずんずん登っていく。
いや、おまえ、元気すぎだろ。むしろ私がそのペースについて行くのがやっとだ。
長男はへたばるどころか、呼吸を荒らげることすら無く、急登の文三郎道を登り切ってしまった。
文三郎道上りの通常コースタイムは60分。これを50分で登ってしまった。
途中、中高年の団体客に捕まっていなければ、もう5分タイムは縮まっていたと思う。
いやいや、八ヶ岳は急な登りだけではない。
ここから赤岳山頂までは岩場の登りだ。都会っ子の長男はきっとこの
岩場にビビり、恐れをなすに違いない。
そこで、
「どうした?岩場は怖いか?」と、言う言葉まで用意していたが・・・、
長男はためらわない。
ひょいひょいと危なげなく
岩場を登っていく。
いや、おまえ、もうちょっと慎重に登れよ。私は3点支持のアドバイスをする事しかできなかった。
ついに長男はなんの弱音を上げることもなく、赤岳に登頂してしまった。
普通なら赤岳登頂で、
「やったー!」と、なるところだが、
長男にとっては
「あれ?もう着いちゃった。」くらいな感じで感慨もイマイチ。
内心、長男のこの
平然とした態度になぜか腹が立つ。
赤岳山頂付近で10分ほど景色を堪能し、次のピーク横岳へ向かう。
私 「横岳へはこの切り立った稜線を歩いて行くんだぞ。」
長男 「え~。」
この長男の「え~。」は”怖い”という感情ではなく、”めんどくさい”という感情が出ていた。ホント、腹立つわ~。
しかし、長男に対する私のイライラは、可愛らしい高山の花々が癒してくれました。
案の定、横岳への岩場も難なくクリアし、あっけなく横岳にも登頂してしまった。
そして、山頂記念写真での、この
ヤル気ないポーズ。
ホント可愛くないね。
しかし!八ヶ岳の核心はここからだ。
「カニの横ばい」と呼ばれる難所が待っている。
さすがの長男もココだけは慎重に通過していた。
地獄の難所の先に待っていたのは極楽浄土。
コマクサの大群生地に到着。
1株だけ珍しい白いコマクサが咲いてました。
さすがの長男もこの風景には見とれておりました。
後はもう、特に難所や急登もなく、ただただ、長いコースを歩くのみ。
ここまでに体力を使い切っていたら、このロングコースも大変なものだが、全く疲れを見せない長男。硫黄岳も余裕で登頂。
まだ時間的には早かったが、お腹が空いたので硫黄岳山頂にて昼食。
目の前の横岳、赤岳をおかずにラーメンをすする。
ただ、茹で方を失敗し麺がドロドロで不味かった。
(※注:棒ラーメンはちゃんとお湯が沸騰してから茹でましょう。)
硫黄岳から赤岳鉱泉まではもう、ただ下るだけ。
赤岩の頭を通り、眺望のない樹林帯をひたすら下り、赤岳鉱泉へ。
赤岳鉱泉から赤岩の頭まで、登ったら結構大変なんですけどね。
赤岳鉱泉で休憩することもなく、そのまま行者小屋へ。
30分ほどで行者小屋到着。
もうすでに行者小屋のテントもまばら。
テントを撤収し、ザックのパッキングをし直して、最後の下山に向かいます。
撤収ももちろん手伝わない長男。パッキングさせたら余りにも適当に詰め込むので、結局私が詰め直す。
南沢を足早に下り、美濃戸へ。さらに林道を下り、美濃戸口に到着。
この間長いこと、長いこと。しかし行者小屋から美濃戸口まで休憩なしのノンストップ。
美濃戸口へ
17:00到着の予定で考えておりましたが、
14:40に到着。
予定より2時間20分も早く到着してしまいました。
「八ヶ岳、楽勝」
コノヤロー!!
こうして登山を舐めている長男を懲らしめる計画は、完全に失敗に終わった。
「八ヶ岳【赤岳-横岳-硫黄岳】トレッキング」
◎感想
今回の登山は前編の経緯の通り、今夏、長男を
懲らしめるため北アルプスへ連れて行くべき為の、訓練登山でした。
当初は長男がもっと苦戦のうえ八ヶ岳縦走を成し遂げる事を想定していたのですが、
正直、驚いた。
昨年までなら考えられない事だけど、ほんとに
子供の成長とは親の想像を超えていると感じた山行でした。
まぁ、これだけ歩けるならば、北アルプスも大丈夫かな。
しかし、一人じゃ何も出来ないクセに長男の登山に対する舐めた態度は気に入らない。
オヤジの威厳も保つためにも、いつか
「ギャフン」と言わせてやるとリベンジを誓う私であった。
(なんか、当初と目的が変わっているような気もするが。)
赤岳
http://www.yamakei-online.com/yamanavi/yama.php?yama_id=450
横岳
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硫黄岳
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阿弥陀岳
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